国立がん研究センターは2009年から10年にがんと診断された患者の5年生存率がすべてのガンを合わせて66.1%だったと、2019年8月8日付で発表しました。
昨年の前回集計と比べて、3ポイント上がりましたが、部位別でみると生存率にはかなり差があり、早い段階での発見が大切です。

がんの部位別5年生存率(%)


1期 2期 3期 4期 全体
前立腺 100 100 100 62.2 98.6
乳房 99.8 95.9 79.9 37.2 95.2
子宮体 96.8 89.9 74.0 21.3 82.1
子宮頚 95.3 78.7 61.4 25.2 75.3
大腸 95.4 88.1 76.5 18.7 72.9
94.6 68.5 45.1 9.0 71.6
膀胱 88.1 61.9 45.2 19.1 69.5
食道 80.9 50.2 24.9 12.0 44.4
81.2 46.3 22.3 5.1 40.6
肝臓 60.4 42.8 14.5 3.5 40.0
膵臓 43.3 19.3 5.7 1.7 9.6

5年生存率

がんと診断された人が5年後に生存している割合で、がんの回復の一つの目安となります。がん以外の病気や事故などによる死亡の影響を除き調整した相対生存率を使っています。
お年生存率は全国のガン診療連携拠点病院など277施設の約57万人を追跡して集計されています。

がんのステージとは

がんのステージの分類にはさまざまな方法がありますが、国際対がん連合(UICC)の「TNM分類」がよく用いられます。TNM分類では、がんのステージを、進行度によって、初期段階の0期~最も進行している4期まで、5つに分類します。
TNM分類では、
•T因子:がんがどのくらいの大きさになっているか
•N因子:周辺のリンパ節への転移の有無
•M因子:他の臓器への転移の有無
の3つの指標を用い、ステージを判定します。
0期:がん細胞が上皮内にとどまっており、リンパ節への転移もない
1期:がんが上皮層を突き破っているが、筋肉の層にとどまっている。リンパ節へは転移していない
2期:がんが筋肉の層を越えており、リンパ節へ転移しかけている
3期:がんがリンパ節へ転移
4期:がんが他の臓器へ転移