Evidence
直訳すると「証拠」「根拠」ということになります。学術や医療でよく使われる言葉です。一般的な認知度は10%程度と考えられており、我々浅草の歯医者は、なるべくわかりにくい専門的な言葉は使わないほうがよいということで、患者さんに対して口にすることはめったにありません。
ただ、新たなビジネス用語として使用頻度も高まっています。 一般的に、エビデンスはビジネスにおいて「証拠」などという意味で使われます。また裏付けといった意味も含んでいるようです。会社などでも、「口約束では間違えるので、メールでも良いから次回の会議の時間を記録しておいて」と言えば良いのに「メールで会議の時間をエビデンスしといて」などと使われることがあります。
お寿司屋さんでお会計お願いしますというのを「オアイソ」お願いしますというようなものでしょう。ただ、すぐに横道にそれますが、これお店に対してとても失礼な言葉です。本来、お店側が、愛想がなくて申しわけありませんでしたと言いながら請求書を出すということです。ですから、お客の側からこの言葉を言うのは、お前の店には愛想が尽きたので勘定してくれということにもとらえられかねません。明治時代の京都が発祥といわれていますが、定かではありません。さて本題に戻りましょう。
我々医療機関は、多数の論文や、臨床試験、治験(動物実験で安全性を充分に確認した後、協力してくれる人を募って有効性や副作用を確かめた後、新しい薬として認められます)、また、厚生労働省から発表される医薬品等安全性関連情報などに基づき、薬の使用などを考えています。
歯医者さん個人の、医療経験などの積み重ねもとても大切ですが、こういった根拠に基づいた医療が根本にあります。
エビデンスの強さ
A(強) | 効果の推定値に強く確信がある |
B(中) | 効果の推定に中程度の確信がある |
C(弱) | 効果と推定値に対する確信は限定的である |
D(とても弱) | 効果の推定値がほとんど確信できない |
このエビデンスの強さにより 患者さんに対して
行うことを、推奨する | 1A |
行うことを、条件付きで、推奨する | 2C |
行わないことを推奨する | 2D |
行わないことを強く推奨する | 1B |
といった使い方をします。