違う医療機関の医師に「第2の意見」を求めることです。セカンドオピニオンといいます。
治療法を納得して選ぶために、時には担当医以外の医師の意見であるセカンドオピニオンが参考になることもあります。
セカンドオピニオンとは
セカンドオピニオンとは、患者さんが納得のいく治療法を選択することができるように、診断内容、現在の治療の内容、今後の治療方法などについて、現在診療を受けている担当医とは別に、違う医療機関の医師に「第2の意見」を求めることです。
セカンドオピニオンは、担当医を替えたり、転院したり、治療を受けたりすることだと思っている方もいますがが、そうではありません。まず、ほかの医師に意見を聞くことそのものがセカンドオピニオンです。
歯科医は専門的な知識や経験から、患者さんから症状をお伺いし、口腔内の状態を精査し、診断、説明、治療を行います。でも納得のいかないこともあるかもしれません。ほんとうにその治療法が一番良いのか、別の治療法はないのか、もっと簡単な方法はないのかなどと思う場合もあるでしょう。
セカンドオピニオンを受けることで、担当医の意見を別の角度からも検討することができ、もし同じ診断や治療方針が説明された場合でも、病気に対する理解が深まることもあります。また、別の治療法が提案された場合には選択の幅が広がることで、より納得して治療に臨むことができます。
初めに説明をうけた歯科医師の話を充分理解することも必要です
セコンドオピニオンは確かに大切ですが、複数の医師の意見を聞き、どれを選んでよいかわからなくなってしまうことのないように、最初に求めた担当医の意見(ファーストオピニオン)を十分に理解しておくことが大切です。ファーストオピニオンで、「自分の病状、進行度、なぜその治療法を勧めるのか」などについて理解しないまま、セカンドオピニオンを受けてもかえって混乱してしまいます。これまでの検査結果と説明を振り返ってみましょう。
セカンドオピニオンを受けた後はどうすれば良いですか
セカンドオピニオンを受けたらもう一度、前の歯科医院に相談して下さい。前の歯科医院でセカンドオピニオンの診断や治療方針を前医に相談することによって、治療への理解がより深まり、納得する治療を選択することができるようになります。その結果をふまえて、前医で治療を続けることもできますし、セカンドオピニオン先の歯科医院で治療を受けることも可能です。その場合、あらためてこれまでの治療内容や経過などを紹介状などで引き継ぐのが一般的です。治療はセカンドオピニオン先の病院で行い、紹介元医療機関では治療後の経過観察を行う場合もあります。そのため、紹介元の歯科医師はあなたの治療を支援してくれる、身近な医療者の1人であることに変わりありません。他へ行くのならもう診ないという了見の狭い歯科医師は、すくなくとも台東区特に浅草にはいません。セカンドオピニオンは自分らしく納得できる選択をするために大変有用な仕組みです。
後医は名医ということわざがあります
「後医は名医」 これは医師であれば誰もが知っていることわざです。
この意味は、「患者さんを診た時、後から診た医者の方が、最初に診た医者よりも正確な診断・治療ができる」というものです。歯科医師として働いていると、前医の立場になる事もあるし、後医の立場になることもあります。
前医は、患者さんの情報が何もない状況の中から、自分で情報を患者さんから聞き出し、可能性のある疾患を念頭に置きながら必要な検査を判断します。その結果を元に診断を考え、治療を行っていきます。
これに対して後医は、「前医からの情報」という非常に強い武器を持って診察に望むことが出来ます。
後医の方が得られる情報量が多い分、正確な診断・治療がしやすい。そのため、名医に見えやすいという現状が「後医は名医」なのです。
元々このことわざは、患者さんへではなく、医師に向けられたものなのです。自分が後医であった場合、つい「何でこんなことも気づかなかったの?」「何でこの検査してないの?」と前医を批判してしまいがちですが、それは後医という立場だからこそ言えることなんだよ、という後医への自戒の意味を持っているのです。ですから、後医は前医を批判しません。逆に前医を批判する歯科医師であったならば(くどいですが浅草歯科医師会にはそんな歯科医師はいません)疑ってもよいのではないかもしれません。
ドクターショッピングにならないように
どうしても歯科医師と相性が悪いと感じる時など、転院を考えた方が良い場合もあることは確かです。しかし、「後医は名医」という原則を知り、それを理解した上で本当に転院した方がよいのかを自分に問いかけ、安易な判断で転院を繰り返さないように気を付けなければいけません。
より安いものを買い求めてあちこちのスーパーマーケットなどを回るように、患者さんがよりよい医療を求めていろいろな医療機関を訪ね歩くことを「ドクターショッピング」と言いいます。
たとえばA医院にかかった人が、そこでの診察には満足できず、次にB医院を受診し、同じ症状を訴える。さらにそれでも満足せず、C医院を受診し、そこでもまた同じ症状を訴える。こうしてあちこちの医療機関を受診し、どこへいっても満足しないまま医療に対する不信感が増すばかりです。
田中歯科医院では、医療連携を大切にしています
院長の出身校である、日本大学歯科病院をはじめ、どの病院への紹介も可能です。くわしくは医療連携のページをご覧ください。
当院から、別の医療機関へセコンドオピニオンをご希望する場合は、御遠慮なくお申しつけ下さい。
また他院からのセコンドオピニオンも積極的にお受けしています。
でも、前の先生にないしょで相談したい
ごもっともです。普通の感覚ならば当然です。今、通院している歯科医院に遠慮もあるでしょう。歯科の先生を目の前にして、「先生の言う事はちょっと信用ならないので、セコンドオピニオンを受けたいので照会状と今治療中のデータを下さい」とはなかなか言えないと思います。「今かかっている先生にないしょで相談したい」もちろん秘密厳守でお受けします。
当歯科医院では、相談だけでも大歓迎です。御待ちしています。でも基本的にどの歯医者さんも相談に乗ってくれます。一人で悩まずに近くの歯医者さんで相談するのが一番です。