歯周病の原因は思わぬ所にもあります。例えば、太り過ぎ、脂肪肝もその一つです。
生物は食べ物が少ない状態を生き抜いてきましたから、元気な人ほど食べる力が強いです。この為ついつい食べ過ぎます。
またエレベーターなど便利になりすぎ、ついつい運動不足になります。余ったエネルギーは脂肪という形で貯めこまれます。いろいろな所に溜まりますが、肝臓にも溜まります。健康でも肝臓には5%ほどの脂肪がありすが、30%をこえると脂肪肝です。実際には10%を超えると危険だとされています。GOT(AST)などの肝臓の機能数値が正常だからといって安心はできません。脂肪肝ではあまり数字的な変化は見られない事も多いです。
 脂肪肝から2割の人が肝炎へ、その3割程度の人が肝硬変へと移行してしまいます。NASH(ナッシュ)と呼ばれていますが、脂肪肝は意外と危険な病気なのです。
また、歯周病菌の悪玉のボスのポリフィロモナス・ジンジバリス菌は、NASHの人では、健康な人の3.9倍多く存在することが報告されています。歯周病菌の影響で出る炎症物質(TNF-α)などが脂肪肝と重なり、肝臓の炎症を引き起こしていると考えられるからです。肝臓はアンモニアなど体で生じた老廃物や体に入った有害物質を解毒したり、食事から取った栄養を体に必要な形に変える代謝も行っています。このため歯周組織など代謝が活発な組織は影響を受けてしまいます。