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三叉神経痛

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脳から直接出ている神経がいくつかあります。視神経、嗅神経などですが、この一つに三叉神経があります。文字通り三つにわかれているのでこう呼ばれているのですが、第1枝はおでこのあたり、第2枝は頬をや上顎、第3枝は下顎に分布している神経です。顔面や口の感覚や運動をつかさどっている、最も大きな脳神経です。
この三叉神経に痛みが起こり、顔を痛く感じるのが三叉神経痛です。

神経痛とは

 特定の末梢神経の支配領域に、発作性、反復性に痛みがみられる場合が、神経痛です。
足をけがしたり、やけどしたとき、虫歯での痛みは神経痛とはいいません。
椎間板(ついかんばん)ヘルニアなどが原因で起こる坐骨神経痛や)肋間神経痛がよく知られていますが、三叉神経痛もこのひとつです。

三叉神経痛の原因

特発性三叉神経痛(突発性とは医学でよく使う言葉ですが原因がよくわからないと解釈していただいて良いと思います)
近年、MRIなどの検査技術の発達により、脳幹から出た三叉神経が周囲の血管に圧迫されるために痛みが起るとする考え方が有力となってきました。およそ80%がこれであると考えられています。
三叉神経痛の数%は、脳腫瘍が原因で起こっているとの報告もあり注意が必要です。
このほか、外傷、中毒、膠原病、代謝異常などによって三叉神経に炎症がおこることが原因になる場合もあり、特に帯状疱疹(ヘルペス)ウイルス感染による三叉神経痛も多く見られます。

三叉神経痛の症状

痛みの特徴は、発作性の激痛です
頬に風があたったり、口を少し動かすなど、ちょっとした刺激が引き金になり、「雷に打たれたような」「太い針で突き刺されたような」「頬をえぐり取られるような」と表現される最大級の激烈な痛みを訴えます。しゃべると痛みが来るのではないかと恐ろしく全くしゃべらず、家族が症状を訴えたり、筆談で症状を伝えるなど、発作に対して強い恐怖心を抱いています。食べたり飲んだりすることもままならなくなり
、栄養不足で体重が減ったり、中には脱水症状を起してしまう方さえいらっしゃいます。
発作は、5~20秒位長くとも1~2分以内でおさまります。発作が終れば、痛みはなく普通の状態にもどります。痛い部分が腫れたり、赤く熱を持ったりなどの炎症症状がでません。時には仮病を疑われることもあり、さらに患者さんにとってわかってもらえないという大きな苦しみとなってしまうこともあります。

三叉神経痛が起こりやすいのは

神経痛なので冬に多いように思われますが、実は春先と秋口に多いとされています。つまり、季節の変わり目が危険です。食事や会話が刺激になって起こることもあり、患者さんの人付き合いが減り、当時こもりがちになるのも辛い問題です。
女性に多く男性の約2倍、そして40代以上特に50代に多く見られます。
夜寝てる時に症状が出ることはありません。

区別が難しい病気

帯状疱疹後三叉神経痛

子供の時にかかっているであろう水疱瘡(みずぼうそう)のウイルスは、終生体から消え去ることはありません。ヘルペスウイルスの一種ですが、神経が大好きで、ここに潜んでいる事が多いです。年齢が進み、疲れたり体調が悪くなったりしたりすると潜んでいたウイルスが暴れだし症状を引き起こします。、顔では三叉神経の分布に一致した皮膚の症状(皮疹)が出ます。過去に顔に帯状疱疹が起こった事ことがあると、三叉神経痛と同じような痛みが出てくることがあります。痛みの症状の発生と同時期に顔面、頭の中の皮膚に赤い発赤、水ぶくれがあり、その部分に一致して痛みやかゆみが持続する場合は帯状疱疹を疑います。
ただし、皮膚に症状がでない場合も多く、病院や歯科医院に行っても、ヘルペス感染と診断することが難しいです。また、ヘルペス感染は再発率が非常に高いので、過去にヘルペスの症状を起こしたことがある方は、その旨を歯科医などにきちんと伝えてください。
抗ヘルペス薬を使用します。ただし帯状疱疹後神経痛という、痛みが数ヶ月から数年までに続く場合もあり、根気の必要なケースもあります。

帯状疱疹による三叉神経痛は、突発性の三叉神経痛と痛みの症状が極めてよく似ています。この後お話する病気も一見すると三叉神経痛によく似ているのですが、症状をよく考えると違いが見えてきます。

群発頭痛

眼の周りや奥のはげしい痛みを起こします。痛みの性質としては、激痛で、眼をえぐられるような痛みが起こります。頭の片側や目の奥をキリで刺されたというような表現をする方もいます。三叉神経痛とおなじく非常にはげしい痛みですが、三叉神経痛よりも長い痛みです。
常に起こるのではなく、年に1、2回、1ヶ月2ヶ月と期間内だけに起こるのが特徴です。期間内は毎日ほぼ決まった時間(主に夜寝ている間)に痛みが始まり、1、2時間続きそのあと自然に消えていきます。
20代~30代の男性に多いと言われ、原因としては自律神経やホルモンの異常などが考えられていますがよくわかっていません。目の後ろにある太い血管が拡張して炎症が起こすのが特徴ですので、血管拡張予防薬が有効とされています。また、濃度の高い酸素を吸入すると治まる場合も多いとされています。アルコールは症状をひどくします。
痛む側の目が充血したり、涙が出たり、瞳孔が小さくなったり、目が閉じたように細くなったりする特徴もあります。また、痛む側の鼻が詰まったり鼻水が出たりすることもよく見られます。

顎関節症

人間は四つ足の動物と違い直立歩行していますので、顎と頭の関係もずれています。その上脳が大きくなったために、耳のすぐそばに、大きく力の出る顎の関節がきています。顎を動かせば、痛みが生じるのですが、顎を動かさなくても痛みを感じることも多く、三叉神経痛と間違えることがあります。

その他

非常に稀な病気ですが、舌咽神経もう神経痛を起こすことがあります。三叉神経痛と同様の痛みがのどの奥に起こります。ものを飲み込んだときに痛みがひきおこされます。耳の穴の奥の方、くびの前面にいたみが走るように感じる場合があります。
また、副鼻腔炎・上顎洞炎(蓄膿症)、重度の虫歯などで強い痛みを訴える方がいます。

三叉神経痛の治療法

薬物療法

一般的な鎮痛剤はあまり効きません。実はてんかん(抗けいれん薬)の薬なのですが、カルバマゼピン(商品名、テグレトール®)という薬で、8割以上で痛みが消失あるいは相当改善します。神経の伝達を押さえることで痛みの情報を押さえて、痛みを軽くします。やはりてんかんの薬ですが、バルプロ酸ナトリウム、フェニトインも、個人差が大きいのですが効く場合があります。ただ肝臓に対する負担、眠気やふらつきなどの副作用に対する注意も必要です。

外科的療法

わかりやすく言えば手術です。脳幹部から三叉神経が出ている部分で神経を圧迫している血管を見つけて、この血管が神経に強くあたらないように移動減圧する方法です。もちろん、歯科医院でできるわけはありませんので専門のお医者様を紹介することになります。

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