世界保健機関(WHO)は2018年9月5日、世界の成人(18歳以上)の4人に1人に当たる14億人以上が運動不足とみられるとの研究結果を発表しました。推計14億人以上という運動不足の人の数は、2001年調査からほとんど改善しておらず、世界的な運動不足の改善努力はほとんど成果を挙げていないと、WHOの専門家は警鐘を鳴らしている。
WHOの調査報告で筆頭著者を務めたレジーナ・グートルト博士は、「他の主要な国際的健康リスクと異なり、運動不足の程度は平均して世界全体で改善されていない。また、全成人の4分の1以上が、健康のために推奨される身体運動の水準を満たしていない」と述べています。
英国を含む高所得国では特に、運動不足の割合が高かった。富裕国では、仕事も趣味も座って行うものへの移行が進み、かつ自動車移動の利用も多いなどの要因が、運動不足の割合を高くしているかもしれないと、報告書は指摘しています。
また世界的な傾向として、男性に比べて女性の方が運動不足の割合が多かったです。女性の方が育児負担が大きい、あるいはその土地の風習で女性が運動しにくいなど、様々な複合的な要因が関係しているだろうと、研究チームは指摘しています。
(調査では週に150分の緩い運動、もしくは75分の激しい運動をしない人を、運動不足と定義しています。)
2016年調査によると、英国における運動不足の割合は、男性が32%、女性が40%で、全体で36%だった。
運動不足は、心臓疾患や2型糖尿病、複数のがんなど様々な健康問題にかかるリスクを悪化させます。
ぜひ運動を習慣にしましょう

19歳以上64歳以下の人向け運動ガイドライン

運動量は?

毎週、緩めの有酸素運動を少なくとも150分、もしくは激しい有酸素運動を少なくとも75分 主要筋肉全てを動かす筋力トレーニングを週に2日かそれ以上 軽い運動を行い、長時間座り続けるのを避ける

緩めの有酸素運動とは?

早歩き 水中エアロビクス 平らな道か上り下りが少ない道で自転車をこぐ テニスのダブルス 芝刈り機を押す ハイキング スケートボード ローラーブレード バレーボール バスケットボール

激しい運動とは?

ジョギングもしくはランニング 速く泳ぐ 高速で、もしくは山道で自転車をこぐ テニスのシングルス サッカー ラグビー 縄跳び ホッケー エアロビクス 体操 総合格闘技

筋力強化になる運動は?

ウェイトリフティング エクササイズバンドを使った運動 腕立て伏せや腹筋など自重を使った運動 手やショベルを使った穴掘りなど重労働を伴うガーデニング ヨガ

有酸素運動と筋力強化を同時にできる運動は?

サーキットトレーニング エアロビクス ランニング サッカー ラグビー ネットボール(英国で盛んなバスケットボールに似た競技) ホッケー
出典:英国民保健サービス(NHS)