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歯が折れる

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歯牙破折


 歯がしみると言って来院された方です。一見するとわかりにくいのですが,わずかに力をかけると破折しているのが確認できます。
 特に硬いものを食べたというようなはっきりとした原因は記憶にないそうです。少しずつヒビが入り、最終的にまっぷたつになってしまったのかもしれません。

抜歯原因の第3位です


平成30年の8020財団の調査結果です。破折の割合は35歳以降で年齢とともに高くなり、60歳以降でほぼ一定となっています。
 平成17年(2005)の同様の調査では、11%でしたので、かなり増加しています。

歯が折れることはあまり認識されていません

 歯の表面(エナメル質)は水晶に近い硬さがあり、内部の象牙質も10円硬貨位の硬さはあります。硬い物質の特性として脆さ(もろさ)がでます。年齢が進むと歯もしなやかさが失われ、より破折しやすくなります。
 骨が折れる(骨折)のと同じで、歯も折れることがあります。

歯にひびが入っているのは、よく見られます


 光の当て方でヒビが確認できると思います。この程度のヒビであれば、多くの人に見られます。ただ表面のみのヒビで内部まで障害されているわけではないので、通常問題になりません。
 時々、歯がしみる原因になったり、ヒビに色素が沈着して審美的な問題を生じることがありますが、すぐに歯そのものの破折につながることは稀(まれ)です。

歯が折れる原因

硬い物を強く咬む

事故

 
 転んで歯をぶつけたり、建設現場で働く人が鉄パイプが歯にぶつかった・学生さんが体育の授業中にけがをしたというような本当の意味での事故も多くあります。通常の食生活で起こることも稀ではありません。限界以上の硬い物を咬むと破折することがあります。アサリやシジミなどの貝類のみそ汁などに、砂のような硬い物がまぎれこんでいることがありますが、これを知らずにがりっと強く咬んでしまうと、歯が折れることがあります。
 

ガリガリやるのが大好き

氷やキャンディーなどの硬いものをガリガリ咬むくせのある人がいます。よく咬むこと決してして悪い事ではありません。咬むことによって脳の血流量が増え、認知症予防に繋がることがわかっています。ただ限度問題です。

歯を道具として使う

前から3番目の歯を糸切り歯と言います。 糸を切るのでこう呼ばれるのですが、口で袋を破いたり入れ物のキャップを歯で開けたりするのは、ちょっと危険かもしれません。

早食い

ここでなぞなぞです。

歯にとって一番硬いものは何でしょう?

 一休さんのとんちくいずのようですが、答えは「歯」です。上の歯にとって一番硬いのは相手の下の歯。逆も同じです。
 車の運転と同じです。スピードを上げればそれだけ早く食べ物を粉砕できますが、その分ぶつかった時の破壊力は大きくなります。
 硬い食べ物を避けて、やわらかいものを食べていれば安全というわけでは全くありません。

よく咬んで食べる

だけではだめです。

ゆっくり優しくよく咬んで食べる

が正解です。

意外な原因

逆流性食道炎

 正確には胃食道逆流症といいます。歯と関係なさそうに見えますが、体はすべてお互い影響が強く出ます。誤嚥性肺炎が大きく関係しています。
 誤嚥性肺炎は。口から食べた食物がまちがって気道・肺へと入り込み起こす肺炎のことです。ただ実際には口腔内の細菌が肺に入り込むことが原因になることが多く、3種類(上記2種と次の1種)あります。
 一番危険なのが、胃酸が逆流し咽喉(のど)のところで気管→肺に入り込み、起こしてしまう誤嚥性肺炎です。一番死亡率が高いのがこのタイプです。

この逆流を抑えているのが歯です

 このときに頑張るのが顎口腔です。胃から食道に上がってきた胃酸を、のどや口の筋肉が頑張って抑え込みます。歯を食いしばって胃酸の逆流を押しとどめるです。
 この頑張りが結果として歯に無理をかけることになってしまうのです。

スマホなどタブレット

 電車に乗ったらそっと周りを見てみてください。もしかすると席についている全員がスマホをいじっているかもしれません。このとき、ほとんどの人が下を向いていると思います。
 下を向く姿勢が長く続くと喉(ノド)のところが締め付けられ呼吸や飲み込みがしにくくなります。下の顎は少しでも喉をゆるめようとして、上向きの力がかかります。
 この状態を上下歯牙接触癖と専門的には言うのですが、長い時間上下の歯に力がかかり続けます。最近これが歯を傷める大きな原因として注目されています。

他にもいろいろ原因があります

● 無呼吸症候群
● 口呼吸(鼻の病気)
● ストレス
● 咬合バランスの悪さ(一部の歯に無理がかかる)
● 神経を除去した歯(血管も同時に除去されるので歯質に栄養が来ません。

などがあります。詳しくは近くの歯医者さんに相談してください。

歯が折れた時の対応法

 骨折と違い、固定しておけば治るということはありません。一度折れてしまったものが、体の治癒力で治るということはありません。ヒビに対しても同じで自然治癒することはありません。
 破折部分が小さければ、その部分を除去し、詰め物や被せ物をするなどで対応できる場合もあります。
ただ、まっぷたつに折れているような場合は助けることが難しいことが多いです。折れた歯を一度抜いて接着剤で張り合わせ再植する方法も研究されていますが、芳しい成果は得られていません。
 ヒビの状態であれば、咬合バランスを調整したり、隣の歯と固定したりして、それ以上無理な力がかからないようにする場合もあります。

虫歯や歯周病がない歯がご自慢の人が特に危ないです

 膝などの関節と同じように、歯とそれを支えている骨(歯槽骨)の間には歯根膜というクッションの役割をする組織があります。このクッション性は年齢が進むとともに失われてきてしまいます。歯や骨が丈夫であればあるほど、加わった力のひずみが歯の破折へと繋がります。
優しくゆっくり食べることがとにかく基本です。
 

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