歯をみがいているのに虫歯ができた。歯医者に来た患者さんがよくぼやく言葉です。歯ブラシだけでは虫歯や歯周病は、防ぎきれません。
歯と歯の間は緊密に接触しており、食べかすが入りにくいのですが、歯ブラシの毛先より狭い部分には、歯ブラシが届かず歯垢(バイ菌の塊)が、たまりやすくなります。ブラッシングのみでは歯間部の歯垢の約半分程度しか除去できません。この部分を掃除する道具が糸ヨウジやデンタルフロスです。
デンタルフロス
ナイロン製の糸ですが、強くよじっていないので太さがなく、歯と歯の間の接触点(コンタクトポイント)にも入りやすいようにできています。
デンタルフロスの使い方
指に巻きつける
デンタルフロス糸を30センチぐらい切り取り、両手の指に巻いて使います。人差し指に巻いてしまう人が多いのですが、本来中指に巻くのが正式です。中指に巻くと人差し指と親指でコントロールできます。
糸をピンと張るのがコツ
ピンと張った糸は、1~2センチ程度で充分です。長いとかえってコントロールしにくくなります。
入れるときはのこぎりを引くように
コンタクトポイント(接触点)はきつく接触しているので、無理に入れると、ゴムを引っ張ってはじくように勢いがついて歯ぐきが傷になってしまいます。のこぎりを引くように前後に軽く揺さぶると、小さい力で無理なく入ります。入ったら、前後ではなく、上下に歯の表面をこするようにして歯垢を除去します。
糸ヨウジ
1987年11月に小林製薬から発売された「糸ようじ」。一般名称のように使われていますが、「糸ようじ」のブランドは小林製製薬の登録商標です。小林製薬の糸ようじの糸は6本糸が帯状にならんでおり、歯面に沿わしながら清掃しやすいように工夫がされています。4本で構成された「入りやすい 糸ようじ」もあります。
歯研サンフレッシュ
フロスようじという製品でこちらも歴史が長く、よくできています。またいろいろなメーカーから出ていますので、ご自身で使いやすいものを選んでいただけると良いと思います。
使い方
基本的には、デンタルフロスと同じです。歯と歯の間に差し込む時にのこぎりを引くように前後に動かしてください。入ったら、両サイドの歯面にキュッキュとこするような感じで、上下に軽く動かしてください。ただ、歯並びに個人差がありますのでできれば近くの歯医者さんで使い方を教わってください。
少なくとも一日1回はやって頂ければ効果的です。また、食べ物のカスが詰まる時に使うという方も多いのですが、専門的には食片圧入と言って、虫歯があったり、歯周病が進行している証拠でもあります。いつも同じところに食べかすが詰まるようでしたら、ぜひ近くの歯医者さんに相談する必要があります。
糸が切れたり、ほつれたりする
同じ場所で、糸が切れたり・ほつれたり・引っかかったりは要注意です。
その場所に虫歯があったり・歯石がついていたり・金属の詰め物などが壊れていたり、何かしら問題が起こっている事がほとんどです。早めに歯医者に受診してください。
大人だけでなく、お子様にも
下が、小さいお子様用の糸ようじです。一回り小ぶりに作られ、危険防止のため反対側を尖らせたありません。ただ、自分ではできないので、保護者の方がやってあげる必要があります。