メッツとは運動や身体活動の強度の単位です。
安静時を1とし、何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示します。例えばラジオ体操は4.5になります。
メッツ
METs は「Metabolic equivalents」の略で メッツと読みます。横になったり座って楽にしている状態(安静状態)に対して、活動・運動を行った時に、何倍の代謝(カロリー消費)をしているかを表しています。
何のために必要なの
歯周病や糖尿病・ガンなどの生活習慣病予防のためには、継続して運動を実施することが重要です。
活発な身体活動を行うと、消費エネルギーが増えて身体機能が活性化することにより、糖や脂質の代謝が活発となり、内臓脂肪の減少が期待されます。その結果、血糖値や脂質異常、血圧の改善により生活習慣病の予防につながるのです。
また、運動による消費エネルギーの増加と体力の向上も生活習慣病の予防に効果があるとされています。
このようなことから、厚生労働省は「健康づくりのための運動指針2006-生活習慣病予防のために-(エクササイズガイド2006)」(平成18年)で、メタボリックシンドロームをはじめ生活習慣病発症を予防するための身体活動量・運動量を示しました。これがMetsです。その後2013年に改定され、健康づくりのための身体活動指針として公表しています。
Metsの数値
Mets | 身体活動 | 身体運動 |
---|---|---|
2.0 | 電車内で立つ・家の中の歩行・料理 | |
2.5 | 植木の水やり・ベビーカーを押す・ヨガ | ストレッチ |
3.0 | 散歩 | ゴルフの打ちっぱなし・ボーリング |
3.5 | 掃除機での掃除 | 自宅での柔軟体操 |
3.8 | 風呂掃除 | 軽度のウォーキング |
4.0 | 庭掃除・低速の自転車 | 水中歩行 |
4.5 | バトミントン・フラダンス・ラジオ体操 | |
5.0 | 子どもと遊ぶ | エアロビダンス |
5.5 | アイススケート | |
6.0 | 雪かき | 軽いジョギング |
7.0 | テニス・サッカー・スキー・登山 | |
8.0 | ランニング(8.0km/時)・スイミング(軽度のクロール) | |
9.0 | 荷物を2階に運搬 | ランニング(8.4km/時) |
10.0 | 柔道・空手・キックボクシング・ランニング(9.7km/時)・ スイミング(平泳ぎ) | |
11.0 | スイミング(バタフライ/速いクロール) | |
15.0 | ランニング:14.5km/時 |
エクササイズ
エクササイズ = メッツ × 時間 です
つまり、軽いジョギング(6メッツ)を2時間行えば、6×2=12エクササイズということです。
一週間に23エクササイズ以上
健康づくりのための身体活動量として、週に23エクササイズ以上
3メッツ以上の活発な身体活動(運動・生活活動)を行い、
そのうち4エクササイズ以上は生活活動でなく活発な運動活動を目標にしています。
肥満の方に
歯への影響も大きいです
肥満は口腔の健康にも大きく影響します。頬に脂肪がつくと唾液腺を圧迫し、唾液の分泌が悪くなります。内臓脂肪が作る TNFーαという悪玉物質は、インシュリンの働きを阻害し血糖値を上昇させます。血栓を作りやすくする PAI-1 により歯周組織の血行が不良になることも原因です。当然全身に対する悪影響も大きく、糖尿病、高血圧、動脈硬化、血栓症など多くの生活習慣病の原因になっています。
メタボリックシンドローム
内臓脂肪型肥満(腹囲が男性 85cm以上、女性90cm以上)に加え、高血糖、血中脂質異常、高血圧の3つのうち2つ以上を合併した状態で、予備群とは内臓脂肪型肥満に加えて3つのうち1つを合併した状態です。
メタボリックシンドロームのリスクが重なることにより、心筋梗塞や脳卒中を発症する可能性が非常に高くなるとされています。
メタボリックシンドロームは、運動量の不足や過食を始めとする好ましくない生活習慣に原因があると考えられ、運動量の増加と食事の改善により、内臓脂肪を減少させてメタボリックシンドロームを改善しすることができます。
運動と食事改善
テレビなどで、1週間で2キロやせたというような番組がありますが、極めて考えにくいです。脂肪は1キログラムで7000kcal もあり、ウォーキングならば200キロ以上歩けます。
ダイエットを始めて、急激に体重が減少するのは体の中の水がなくなっている、つまり脱水起こしている状態です。
ただ一日230kcal 減らせれば1ヶ月で脂肪1キロ分になります。ひと月で1キロぐらいずつ落とせば充分効果的です。
内臓脂肪減少のために必要な運動量
内臓脂肪を確実に減少させるためには、週に10エクササイズ程度かそれ以上の運動量が必要と考えられます。30分間の速歩を週5回行うと10エクササイズの運動量に相当します。食事内容を変えないままでも、週10エクササイズ程度の運動量を増加させることにより、1ヶ月で1~2%近くの内臓脂肪が減少します。