親知らずはなぜ抜くか ?
正式には第三大臼歯といい前から8番目
口の一番奥に上下左右4本生えてきます。
知恵がついてから生えるので智歯ともいい
ますが,きちんと生える人はまれです
なぜきちんと生えないのでしょう
食生活がやわらかい食物主体となり,食べ物をかみ砕くのに大きな力を必要としなくなり,あごが退化し小さくなってきています。その割りには歯はそれほど小さくなっておらず,最後に生えてくる親知らずの生える充分なスペースがなく,横に曲がったり,斜めに傾いたり,前の歯にぶつかってそれ以上生えて来れなくなったりするのです。
顎の大きさが充分あれば親知らずも萌えてこれますが
顎の大きさが不十分だと親知らずは萌えてこれません
親知らずが嫌われるのは
(1) 親知らずばかりでなく,前の歯もムシ歯にしてしまいます
(2) 前の歯を横に押し出して 歯並びを乱します
(3) 歯ぐきが腫れて痛むことがあります (智歯周囲炎)
(4) その他
ほほを咬んでしまう・顎の関節を痛める(正常に生えていても原因になりやすい
不眠症・高血圧などとの関係も疑われ研究されています
智歯周囲炎
埋伏や半埋伏という状態の親知らずは,歯ぐきとの間にすきまがあり,バイ菌が入りこみやすくなっています。
疲労や風邪などで体の抵抗力が低下すると,バイ菌の繁殖を抑えられなくなり親知らずの周りが腫れて痛みだします。悪化すると激しい痛みや発熱だるさなどの全身的な症状を生じまれには入院ということもあります。
どのような治療法あるのでしょうか
智歯周囲炎には,抗生物質や消炎剤が有効です。しかし治まってもしばらくすると再発する場合が多く,抜歯が適応となる場合がほとんどです。また炎症を繰り返すと周囲の骨と癒着し抜くのが困難になる場合もありますので、炎症を繰り返す方は、早めに抜くほうが良いかもしれません。
特に女性の方へ
妊娠すると,つわりなどにより食事が不規則になりがちです。また歯ブラシをすると気持ちが悪くなったりホルモンの影響などで,口腔内衛生環境が悪化しやすく,智歯周囲炎などの病気を起こしやすくなります。
しかし妊娠中は胎児に対する影響を考え充分な処置が出来ないことが多いのです。親知らずに限らず妊娠予定のある方は早めに歯の治療をするほうが賢明です
絶対抜かなければならないの?
時には役にたつこともあります。手前の歯が失われた場合,入れ歯や
ブリッジの支えとして利用できることがあります。また近年失われた歯の代わりに抜いた親知らずを移植するという処置も可能になってきました。
抜くのは大変 ?
生え方が千差万別なので,手術も10分程度で終わるものから1~2時間かかる大がかりな場合までいろいろです。
特に難しいのは
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下の親知らずが横向きに萌えて、前の歯にぶつかっている場合です。
歯の頭と根を切断して、頭と根を別々に取り出す場合です。
下の親知らずの直下には,太い血管(顎動脈)と神経の幹(三叉神経)が走っていてリスクが高くなります。