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口内炎

 口の中や周辺の粘膜に起こる炎症の総称が「口内炎」です。円形の白っぽいポツリとしたくぼみが粘膜にできてしみて痛い経験は誰にでもあると思います。これがアフタ性口内炎で、最も一般的です。胃潰瘍が口の中にできたと考えるとわかりやすいです。ヘルペスウイルスやカンジダという真菌によっておこる場合もあります。
 板状の白い硬結を生じる白板症などもありますが、口内炎と分けて考えることが多いです。

口内炎の種類

アフタ性口内炎

 円形または楕円形の白い粘膜がえぐられた状態です。潰瘍は粘膜下層までこわれてしまった状態ですが、粘膜上層でとどまる「びらん」であることが多いです。
ちっちゃいくせに結構痛く気になるのがアフタ性口内炎の特徴です。せっかくの食事が美味しくなく、果物などがしみるなどイライラします。さわっただけでも痛いですし、歯みがきでしみるのもかなりつらいです。
1~2週間程度で自然に治癒しますが、なかなか治らない場合は、アフタ性口内炎ではなく、別の病気である可能性もあります。

原因


 単一の直接的な原因はありませんが、歯ブラシなどでキズにしたりが引き金になる場合があります。
ストレス・ビタミンBなどの栄養不足・過食・胃腸障害・寝不足など不摂生などの生活習慣の乱れが誘因になる場合もあります。

注意点


 ベーチェット病という国が特定疾患に指定している病気があります。慢性に再発をくりかえす全身炎症性疾患です。日本国内で2万人の患者さんがいるとされています。
目のブドウ膜炎、外陰部潰瘍などをおこしますが、初発症状としてアフタ性口内炎も多く、長引く場合や繰り返す場合は注意が必要です。口腔内のガンであったりすることもきわめてまれにあります。
 シェーグレン症候群は、涙腺・唾液腺をはじめとする全身の外分泌腺に慢性的な炎症が起こり、外分泌腺が破壊されて目の乾燥(ドライアイ)や口腔乾燥症(ドライマウス)などの症状が出現する病気です。唾液が出ないことから口内炎もできやすくなります。

カタル性口内炎


入れ歯や矯正器具・頬や舌を咬んでしまったりしたときのキズに、細菌の繁殖したり、やけどなどが原因で起こる口内炎です。口の粘膜が赤く腫れたり水疱ができたりします。アフタ性とは異なり、境界が不明瞭で、唾液の量が増えて口臭が発生したり、口の中が熱く感じたりすることもあります。また、味覚がわかりにくくなることもあります。カタル性からアフタ性に移行する場合もあります。

カンジダ性口内炎


 白くて軟らかい、こけ状の斑点ができ、赤くただれます。口内全体のあらゆる部位にできます。

原因


 真菌類に属するカンジダ菌により起こります。カンジダ菌は誰でも保有している菌(常在菌)ですが、病原性が弱いため、通常この菌によって発病することはありません。抗生物質やステロイド剤の副作用・口腔乾燥症・不潔な義歯・高齢・ガン治療の副作用・免疫低下などにより、口腔内の細菌バランスが崩れ、カンジダ菌が異常に増殖することによって発症します。

ヘルペス性口内炎


 1歳~3歳ぐらいまでの乳幼児がかかりやすい病気です。単純ヘルペスウイルスⅠ型が原因です。38度以上の高熱が続き、口の中に小さい潰瘍ができてとても痛いです。歯ぐきが赤く腫れて出血することもあり、口の中が痛いので食事がよく取れず、ひどくなると水分も飲めなくなります。水痘帯状ヘルペスウイルス・A群コクサッキーウイルスによっても起こります。

再発性ヘルペス


 一度感染した単純ヘルペスウイルスは、症状が無くなっても体内に潜伏してしまうことが多く、疲労・ストレス・紫外線・免疫力低下などにより、口唇などに再発する口唇ヘルペスに注意が必要です。口の周りがピリピリ・チクチクするような痛み・赤く腫れ・小さな水ぶくれができたりします。

子供に多い口内炎


ヘルパンギーナ


 A群コクサッキーウイルスが原因んです。突然の発熱から始まることが多く、38.5度を超えるようなかなりの高熱になることも珍しくありません。その後、口内から喉の奥にかけて痛みを伴う水疱や潰瘍が生じます。患者の多くは4歳以下で、特に1歳に多く見られるのが特徴です。

手足口病


コクサッキーウイルスなどが原因です。手のひら、足の裏、口の中に小さな水ぶくれができ、口の中は痛みをともないます。熱は出ないことが多いです。夏に多く6歳未満が多いです。
伝染性単核球症(EBウイルス感染症)やおたふく風邪でも口内炎の症状がでます。

口腔アレルギー症候群(OAS=oral allergy syndrome)


たとえば果物のマンゴー。これはうるし科の植物です。うるしにアレルギーのある人は注意が必要です。
口の周りを中心に赤み、痒み、発疹、湿疹、蕁麻疹、かぶれなどを生じます。口腔内の違和感または腫れなどもおこります。全身に症状が出る場合もあります。
すぐに出る場合はマンゴーが原因と気が付くのですが、数日後に出る場合もあり、ヘルペスなどと間違われることも多いので注意が必要です。

その他


アレルギーではありませんが、パイナップルに含まれる酵素プロメラインが原因のことがあります。生のパイナップルを食べた時に、舌にピリピリとした刺激を感じることがあります。この酵素はたんぱく質を分解します。少量であれば問題はありませんが、大量に食べると舌が荒れてしまうことがあります。キウイフルーツで起こる場合もあります。

口腔ガン


日本では、毎年38万人の方がガンでお亡くなりになります。口腔に生じるガンは全体の約2%とかんがえられています。口腔ガンで最も多いのは舌ガン(約60%)で次が歯ぐきにできる歯肉ガン、そして舌の下にできる口底ガン、頬粘膜ガン、口蓋粘膜ガンと続きます。
多くは歯と接する舌の側面にできます。白くなったり、赤くなったり、表面的な変化が全くなかったり痛みがあったりなかったりと様々です。
進行すると粘膜の表面が隆起したり、硬くなり潰瘍ができます。
口内炎や舌痛症と勘違いされやすく発見しづらいのも特徴です。

口内炎とガンの鑑別


 口腔は胃カメラのように、特別な道具が無くても検診できるので、本来、早期発見されやすいがんと言われています。しかし、歯周病や口内炎の裏にがんが隠れている場合も多く、また世間一般の認識度が低いことから、実際には発見するのが難しいのが現状です。
そのため、残念なことにがんが進行してから発見される場合も少なくありません。口内炎が同じ場所に2週間以上治らない場合は、注意が必要です。
 どんな名医であろうとも、目で見ただけではガンかどうかはわかりません。症状からも判断することはできません。ガンの確定診断は、「病理組織検査」だけです。
歯科大学病院や、医科大学の口腔外科へ紹介して検査してもらうのが一般的です。
PET/CT(ペット 陽電子放出断層撮影)や腫瘍マーカーによる検査は、口腔内では組織採取が容易なことからあまり実用的ではありません。

前ガン病変

将来がんになる可能性が高いとされる病変を「前ガン病変」といいます。
口腔粘膜表面の角化が亢進し、白く変化した、摩擦によって除去できない病変を「白板症」といいます。10%がガンに移行するとされます。
口腔内の患部が周囲の粘膜よりも赤くなり、境界が明瞭なあざやかな鮮紅色で、ビロードのようなツルっとした平らな表面になる紅板症(こうばんしょう)は約半数がガンに移行します。

口内炎を治療せずに放置すると悪影響はありますか?


 ストレスや疲れ、睡眠不足、栄養バランスの悪さなどが重なって起こる口内炎が多いです。ただ2週間以上にわたり長引く場合や、頻繁に繰り返す場合は注意が必要です。難治性の口内炎と呼ばれますが学問的な定義ではありません。
口腔ガンだったり、白板症などの前がん病変、口腔乾燥症や自己免疫疾患などの全身疾患の一つの症状である可能性もあります。
入れ歯や不適合な詰め物などによって慢性的にキズができているとガン化するとの報告もあります。
近くの歯科医院に受診して相談されることをおすすめします。

口内炎の治療法


 一般的な口内炎の治療でいちばん多いのが、ステロイドの軟膏や貼付剤です。いずれにしても、早期に治療をはじめることで治癒も早くなります。
ビタミンB不足が原因であればビタミン剤の服用も効果的です。アズレンという青い洗口剤を処方されることもあります。
口腔内を清潔に保つことも大切です。ただし刺激の強い洗口剤や歯磨き剤は逆効果で、かえって悪化させてしまうことが多いです。100㏄のぬるま湯に塩1gほどを溶かした食塩水でゆすぐのも効果的です。寝不足や不摂生・ストレスにも注意しましょう。
辛すぎるカレーなどの刺激物や濃いアルコールも悪化させるので注意が必要です。
ただ全身疾患などが潜んでいいる場合もあり、長引く場合は歯科受診をおすすめします。

口内炎の検査法


 ガンが疑われる場合は、その部分の組織を採取して組織病理検査をする場合もあります。
 ベーチェット病が疑われる場合は、眼科や皮膚科、泌尿器科などと連携して慎重な診断をしなければなりません。
 金属アレルギーなど体質的な問題が隠れている場合もあり、症状や状態によって検査もさまざまです。

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