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熱が出たら解熱鎮痛剤 ?

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熱が出たからといって、すぐに解熱剤を飲むのは気をつけてください。
新型コロナ肺炎の問題もあり、37.5度の発熱がキーワードとなっています。ただ、熱が出たからといってすぐに解熱剤を飲むのは、かえって体に良くない場合も多いです。

ウイルスに感染して熱が出るのは当たり前

「風邪で熱が出るのは、ウイルスや細菌が原因」と思われている方が多いと思いますが、全くの逆です。

何で熱が出るの

風邪の原因ウイ
ルスと戦うのは白血球です。
体の中にウイルスが侵入してしまうと(これを感染といいます)、まずマクロファージという白血球の一種が食い殺そうとします。

マクロファージ

マクロファージはもともと血液の免疫機能を担う白血球の一種の単球の進化形です。貪食細胞とよばれ、あやしいものはなんでも食べちゃう感染時の初期免疫をつかさどるアメーバ細胞です。

発熱させて体温をあげる

 マクロファージは、異物を食べると活性化し、サイトカインと呼ばれる物質を放出します。これが、血流にのって脳にながれ、「異物が侵入した」という情報が伝わります。 その情報を受け取った脳は、身体にウイルスと戦うよう指令を出します。この一つが発熱なのです。
体温が上がるとマクロファージをはじめ白血球の働きが活発になります。体温が1度上昇すると免疫力は5倍に増強されるといわれます。つまり発熱は、免疫力を強化して、早く風邪を治そうとするからだの自然な反応です。

ウイルスは高温が苦手

風邪などのウイルスや細菌は40度近くになると活動力がにぶります。

体のだるさも出ます

身体がだるくなる、関節痛がでる、食欲が落ちるのは、当たり前です。ウイルスと戦う事に全力をかけたいのに、マラソンなど元気に筋肉を動かしてしまえば、そちらにエネルギーを消耗してしまいます。食欲が落ちるのも消化吸収に必要なエネルギーの消耗を減らそうとするためです。
とにかく無駄なエネルギーの消費を減らして、ウイルスとの戦いにエネルギーを集中させ、早く治そうとしている身体の自然な反応です。

解熱剤のメリット・デメリット

解熱剤で熱を下げてしまうと、高熱状態でウイルスVS白血球の戦いで有利に事を進めていた白血球が一気に劣勢になりウイルスが巻き返します。熱が高ければ動かずにじっと静かにしているしかありません。ところが解熱剤で熱が下がると「あれ良くなったのかな」と体も脳も錯覚して動き回るほどでなくても活動的になってしまいます。
でも、解熱剤にもメリットはあります。熱が高くて苦しくて熟睡できなかったり、食事が取れなかったり、熱が長く続くと体力を消耗してしまい治りが遅くなることもあります。少し熱を下げて栄養を取ったりしたほうが良いこともあるので、絶対使ってはいけないというわけではないです。

医師によっても大分違います

内科のお医者さんによっても考え方がだいぶ違います。「熱が上がったときのために念のため」と解熱剤を出す病院もあります。
患者さんの正常時の体力、気力、年齢、持病の有無、性格、日常習慣、運動習慣、などによって判断の難しいところです。普段から自分の身体や心の事をしっかり相談でき、わかってくれる主治医の先生を作っておくことが大切です。

メリット デメリット
発熱 免疫力の強化
ウイルスの増殖を抑える
だるさ・頭痛
食欲不振・不眠・脱水
体力消耗・熱性けいれん
解熱剤 症状が楽になる 病気の悪化・長期化
副作用・免疫力低下

そうはいっても、高熱を出す体力さえないのが多くの現代人にみられる特徴です。自然治癒力が低下していているうえに、疲労や脱水が重なると病気の悪化につながります。どのようなタイミングで解熱剤を使用するかは、難しいです。

発熱の時の対応法

水分補給・ミネラル補給

 脱水にならないように、水分を摂る。大量にとるのは胃腸を痛めます。平常時は虫歯の原因にもなるスポーツドリンクですが、非常時にはとても有効。胃腸に優しく吸収されます。寝ている間に脱水にならないように、就寝前も補給を忘れずに。

胃腸に優しく消化のよいもの

 食事は、食べれるに越したことはありません。胃腸に負担にならない消化吸収の良いものを。好きなものでかまいません。
豆腐やあたたかな甘酒などはおすすめです。

アルコールはダメです

 甘酒にはアルコールは入っていません。アルコールは、ただでさえ忙しい肝臓により大きな負担をかけます。

ちょっと難しい話

新型コロナ肺炎と解熱鎮痛剤の関係

NSAIDs

 非ステロイド性抗炎症薬 nonsteroidal anti-inflammatory drugs : NSAIDs エヌセイドと読みます。
NSAIDsは、抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用、抗血小板作用など様々な薬理作用を持ち、我々歯医者でも歯を抜いたりした後によく処方します。
アスピリン(アセチルサリチル酸)・ボルタレン(ジクロフェナク)・ロキソニン(ロキソプロフェン)などが代表です。
NSAIDsは、炎症反応が起きると「プロスタグランジン」という物質の働きを阻害することで抗炎症作用や解熱作用を発揮します。この作用によってとても力強い「解熱・鎮痛。消炎」作用を発揮してくれます。ただしその分副作用も強くでます。

新型コロナウイルスに NSAIDsは危険?

NSAIDsによって炎症性サイトカインが増加することが報告されています。炎症性サイトカインは色々な種類があり、前記のマクロファージなどの活性化など、ウイルスと戦う力を増強してくれますが、過剰につくられると、免疫細胞が暴走につながります。
こうなると、ウイルスなど外敵だけでなく健常な細胞や組織まで攻撃するようになり、免疫異常を起こしてしまいかえって風邪や肺炎の症状がひどくなる場合があります。
またイブプロフェンなどの抗炎症薬は体内のACE2(アンジオテンシン変換酵素2)を増やし、これが新型コロナウイルスの感染を促進して症状を悪化させるのではないか」という説もあります。新型コロナウイルスは肺や腎臓などの上皮細胞のACE2(アンジオテンシン変換酵素2)を受容体として結合し侵入することがわかっているので、ACE2が増えると新型コロナウイルスの感染が進み、重症化の可能性も高まるとの考え方です。

WHO(世界保健機関)も混乱

 新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受け、WHOが2020年3月11日に「パンデミック」を宣言し。3月14日、フランスの厚生大臣が、「イブプロフェン」などの抗炎症薬の服用によって、かえって感染を拡大させる恐れがあると警告。これをうけてWHOは3月17日、新型コロナウイルス感染症の症状がある人はイブプロフェンの服用を避け、自己投薬するならイブプロフェンではなくアセトアミノフェンの服用を勧めた。しかし翌18日には一転、WHOは新型コロナウイルスに感染している疑いがある場合にイブプロフェンを服用することについて「控えることを求める勧告はしない」した。

NSAIDs以外の解熱鎮痛剤

 パラアミノフェノール誘導体のアセトアニリド、アセトアミノフェン、フェナセチンなどがあります。COX阻害作用が弱く、抗炎症作用はないので、NSAIDsには分類されません。長期投与が可能で、老人や小児にも投与できる点から、そして上記の問題などから、「アセトアミノフェン」がよく使われるようになっています。
ただし 肝障害などを起こすこともあり、セトアミノフェンも100%安全とは言い切れず、注意が必要です。

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