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選定療養費

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平成28年(2016年)4月の診療報酬等改定により、厚生労働省により制定された制度です。
「初期の治療は地域の医院・診療所(かかりつけ医)で、高度・専門治療は病院で行う」という医療機関相互の役割分担及び業務連携の推進を目的としています。
この目的を踏まえ,平成28年4月1日から,特定機能病院では,他の医療機関等の紹介状なしに受診する場合には、原則として、初診時又は再診時に定額負担を患者さんが負担するということです。(選定療養費の義務化)

簡単に言えば、大きな病院にかかるときに紹介状がないと、治療費以外に別の費用を取られるということです。

選定療養費が出来た経緯

患者さんの気持ちとして、病気やけがをした場合、設備が整っていて、多くの優れたドクターいる、大きな病院を受診したいのはごく自然なことです。
しかし、地域密着型の医院や診療所で充分に治療できるケガや病気でも大きな病院を受診する人が多くなり、
大きな病院に患者さんが集中し、何時間も待たされて上に数分の治療で終了とか、
専門性の高い病院でしか治療が難しい病気やけがをした人の治療が遅れたりとどこおる
など、いろいろ弊害が問題になりました。
こうしたことから、適正な医療を効率的に提供することを目的として、平成6年(1994年)の医療法改正で「初期の治療は地域の医院・診療所で、高度・専門医療は200床以上の病院で行う」という医療機関の役割分担(機能分担)が推進され、医療機関等の紹介状を持たずに病床200床以上の病院を受診する場合、病院に特定療養費(現在の選定療養費の前身)を支払うことになりました。
平成18年(2006年)10月に健康保険法の一部を改正する法律によって特定療養費制度が見直され、保険外併用療養費制度(評価療養と選定療養)が導入されたことで、特定療養費は選定療養費に変わっています。
平成28年(2016年)4月1日以降は、医療機関の役割分担をより一層推進するため、特定機能病院や病床500床以上の病院を選定療養費の徴収が義務化されています。
 徴収する最低金額も決められていて、初診については5000円(歯科は3000円)、再診については2500円(歯科は1500円)です。

選定療養費がかかる病院は

特定機能病院と一般病床の数が500床以上の地域医療支援病院です。

特定機能病院

高度な医療の提供・開発・研修を実施する能力などを備えた病院のことです。その多くは大学病院です。(医療法第4条の2)
東京都内では、国立がん研究センター中央病院 ・順天堂大学医学部附属順天堂医院 ・日本医科大学付属病院 ・日本大学医学部附属板橋病院 ・東邦大学医療センター大森病院 ・慶應義塾大学病院 ・東京慈恵会医科大学附属病院 ・昭和大学病院 ・杏林大学医学部付属病院 ・帝京大学医学部附属病院 ・東京医科歯科大学医学部附属病院 ・東京大学医学部附属病院 ・東京医科大学病院 ・がん研究会有明病院 ・国立国際医療研究センター病院  などです。•400床以上のベッドがあり、定められた16の診療科、管理栄養士がいて、ICU(集中治療室)・無菌病室・医薬品情報管理室があり、英文の論文数が年70件以上必要などかなりハードルの高い認定基準です。

地域医療支援病院

紹介患者に対する医療提供や、医療機器などの共同利用を行い、地域のかかりつけ医を支援する能力があり、地域医療の確保を図る病院としてふさわしい構造設備がある病院として、都道府県知事が個別に承認している病院です。
公益財団法人東京都保健医療公社多摩南部地域病院・公益財団法人東京都保健医療公社東部地域病院・河北総合病院・日本赤十字社東京都支部武蔵野赤十字病院・公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院・公益財団法人東京都保健医療公社多摩北部医療センター・国家公務員共済組合連合会立川病院・独立行政法人国立病院機構災害医療センター・独立行政法人国立病院機構災害医療センター・公益財団法人東京都保健医療公社荏原病院・公益財団法人東京都保健医療公社大久保病院・社会福祉法人仁生社江戸川病院 418 平成21年10月30日 区東部医療圏 ・独立行政法人労働者健康安全機構東京労災病院 ・国家公務員共済組合連合会東京共済病院・独立行政法人国立病院機構東京医療センター・公益財団法人東京都保健医療公社豊島病院・公立昭和病院・順天堂大学医学部附属練馬病院 ・公立学校共済組合関東中央病院 ・東京都済生会中央病院 ・日本赤十字社医療センター ・社会福祉法人三井記念病院・日本赤十字社東京都支部大森赤十字病院・東京都立多摩総合医療センター・府中恵仁会病院・聖路加国際病院・国家公務員共済組合連合会虎の門病院・東大和病院・独立行政法人国立病院機構東京病院・東邦大学医療センター大橋病院・東京女子医科大学東医療センター です。(平成28年8月4日現在)

再診の選定療養費

ちなみに再診というのは、他の医療機関への逆紹介を受けたにもかかわらず、患者の意思で同じ選定療養費のかかる病院をそのまま受診する場合に取られます。
逆紹介というのは、紹介を受けて大病院を受診し治療をしていたたけれど、症状がよくなったから今後は紹介元など、地域密着型の他の医療機関で充分良いですよ、などといった場合に、大病院から地域のかかりつけ医に紹介状を書かれた場合です。
こちらも徴収すべき最低金額が決められていて、医科2500円、歯科1500円となっています。

選定療養費が、かからない場合は

他の医療機関の紹介状を持参した人

地域の医院や診療所を受診して、より高度な専門性の必要な病院への通院が必要と判断した場合には、その医院で紹介状を書いてもらえます。それを持参して、照会先の病院を受診することで、初診時選定療養費を支払わずに済みます。浅草の歯科医院をはじめ、どこの歯科医院でも必要ならば書いてくれます。歯科医が必要と判断した場合はもちろん、「なかなか口内炎が治らないので大きな病院で一度診てもらいたい。」ということも当然あります。とにかく近くの歯医者さんなどで相談してみてください。

診療情報提供書(紹介状)は、保険で250点となっています。1割負担の人は250円・3割負担の人でも750円の負担で済みます。

当歯科医院からの紹介例

● 太い血管に接している難抜歯 → 日本大学歯科病院など
● 口腔内のガンなどの疑いがある場合 → 日本医科大学付属病院、東京医科歯科大学附属病院など
● リウマチや糖尿病など全身疾患との関連が疑われる場合 → 三井記念病院、順天堂医院など
歯科医院から医科の病院へ紹介する例も少なくありません。

緊急その他やむを得ない事情がある場合

救急の患者つまり、救急車で運ばれた場合などです。
公費負担医療の対象患者、無料低額診療事業の対象患者、HIV感染者も対象となります。

算定しなくていいその他

● 自施設の他の診療科を受診中の患者
● 医科と歯科の間で院内紹介した患者
● 特定健診、がん検診等の結果により精密検査の指示があった患者
● 救急医療事業、周産期事業等における休日夜間受診患者
● 外来受診後そのまま入院となった患者
● 地域に他に当該診療科がなく、大病院が外来診療を実質的に担っているような診療科を受診する患者
● 治験協力者である患者
● 災害により被害を受けた患者
● 労働災害、公務災害、交通事故、自費診療の患者
● 保険医療機関が当該保険医療機関を直接受診する必要性を特に認めた患者

乳幼児医療費助成制度を利用していても、初診時選定療養費はかかります

乳幼児医療費助成制度は、乳児期の赤ちゃんや幼児期の子どもが、親の経済状態等に関わらず必要な医療を受けられるようにすることを目的として、乳幼児の医療費の全部もしくは一部を地方自治体が助成する制度です。台東区では、中学生まで無料で医療機関にかかることができます。乳幼児医療費助成制度を利用していても、初診時選定療養費はかかりますのでご注意ください。

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