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カルシウムは、妊娠前より増やさなくて大丈夫です

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以前の日本人の栄養所要量では、女性のカルシウムの摂取は

年齢 所要量
9~17才 700mg
18才~ 600mg
妊婦 +300mg
授乳婦 +500mg

となっていました。
 ところが現在では、女性のカルシウム摂取の推奨量は

年齢 推奨量
15~69才 650mg
妊婦(付加量) +0
授乳婦(付加量) +0

となっています。

妊娠したからといってカルシウムを普段以上に多くする必要はありません

 カルシウムは吸収率の悪い物質の一つです。牛乳で40%・小魚で33%・野菜ではさらに低く19%しか吸収されず、残りは排泄されてしまいます。
 ところが妊娠すると吸収率が極めて上昇することがわかりました。このため、普段の生活と同じ量を摂取していれば充分であるということが判明したのです。体っていうのは本当によくできています。

ただし、普段から不足しがちな栄養素であることも確かです

牛乳200cc 220mg ヨーグルト100g 120mg カマンベールチーズ20g 92mg もめん豆腐100g 86mg イワシの丸干し10g 44mg 煮干し(カタクチイワシ)10g 220mg などがカルシウムを多く含む食品です。
 小松菜や大根の葉っぱなどにも多く含まれます(100グラム当たり170mg)。ただ、小松菜を100グラム食べるのはちょっときついのではないかと思います。また、野菜は吸収率があまりよくありません。またカルシウムだけにこだわる必要もありません。
 いろいろな食品をバランスよく食べることが大切です。ただ、世界的に見てもとても優れている二本の食生活ですが、カルシウムはやや不足気味だということでよくカルシウムを取りましょうと言われるのです。

カルシウムの過剰症

 厚生労働省が示しているカルシウム摂取量の上限値は2500mgです。通常の食事であれば超えてしまうことは考えにくいです。牛乳を一日2リットルも飲んでいれば可能性はあります。
 また、健康な人が食事やサプリメントからカルシウムを過剰に摂取しても、短期間であれば副作用が起きることはほとんどありません。
 ただし、妊婦や授乳婦さんはカルシウムの腸からの吸収率が極限まで上昇しているので、副作用も出やすく注意が必要です。

カルシウムの過剰症の症状は

腎臓結石
動脈がカルシウムで石灰化→高血圧
筋肉の収縮が悪くなる
神経が不安定になり、イライラが増える
他のミネラル(カリウム、マグネシウムなど)のバランスがくずれる・鉄やマグネシウム、亜鉛の吸収を妨げてしまう
高カルシウム血症(血液中のカルシウム濃度の上昇)

高カルシウム血症の症状

便秘や下痢、
口内の乾燥、口が乾く、味覚異常(金属の味がする)
頻尿
頭痛
食欲低下
嘔吐、吐き気
倦怠感、つかれやすい
などが起こることがあります。

カルシウムが不足すると

 体内にあるカルシウムの99%は骨と歯を構成しています。残りの1%は血液や筋肉・神経内に存在し、心臓機能や筋肉の収縮・血液凝固などの重要な働きに関わっています。このため正常な状態では血液中のカルシウム濃度は一定になるよう調整されていて、カルシウムが不足し濃度が低くなると骨からカルシウムが血液中に供給されます。ただし、歯のカルシウムが使われることはありません。
 妊娠時は、胎児の骨や歯を作るためにより多くのカルシウムが必要になります。不足すると母体の骨からカルシウムがどんどん血液に溶け出して胎児へと運ばれます。
 このため、将来的骨粗鬆症の原因となります。

カルシウムの不足症

高血圧・動脈硬化・肥満・糖尿病・認知障害・免疫異常・腫瘍などがあります。

他のミネラルとのバランスも大切です

 カルシウムと関わりの深いミネラルには、リンとマグネシウムがあります。カルシウムに対して、リンは同量、マグネシウムの摂取はその半分が理想とされます。この割合がかけ離れると体内のミネラルバランスが崩れてしまいます。

リンの過剰摂取に注意

 カルシウムは日本人の平均で一日500mg程度しか取れていないので多く取れと言われるのです。骨=カルシウムというイメージですが、骨や歯はハイドロキシアパタイトというリン酸カルシウムの結晶体です。このためリンも必要なのですが、リン自体は多くの食品に十分に含まれるので普通の食生活で不足することはありません。むしろ食品添加物によく使われるリン酸塩のせいでやや過剰摂取気味となっています。研究によってはカルシウムの3倍近い量を摂っているともされています。リンはカルシウムと結びつきやすいため、リンの過剰摂取はカルシウムの吸収を抑制します。いわゆるインスタント食品に多く含まれるので注意してください。

マグネシウムの不足

 ミネラルのひとつであるマグネシウムは、主に野菜類・豆類・海藻類などミネラルを豊富に含んだ食品に含まれています。近年、日本人の食生活の傾向としてカルシウム以上に不足しやすい傾向にあるとされています。マグネシウムの働きは主に「骨の強化」「血流の促進」「血圧の安定」です。

必要な栄養素をバランスよく適度に取る

 食べ物を食べなければ生きていくことはできません。妊娠中は赤ちゃんの分まで食べなければいけないのですからより大変です。おいしければそれで良いというわけでもありません。エネルギー(カロリー)も糖質(炭水化物)・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル、すべて過不足なく取らなければいけません。どの位の量を取るべきか、決められている栄養素だけでも34種類あります。
 タンパク質を一日60g 70gと言われてもよくわかりません。
 以前は一食で30品目の食事を摂りなさいといわれたのですが、過食に繋がるということで最近は言わなくなってしまいました。
 あまり難しく考えることはありません。要はバランスの良い食事を適量食べれば良いのです。

 

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