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水の取り過ぎにご用心

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よく、熱中症予防のために、水分を取りましょう。脱水に気をつけましょうと言われます。ただ物には限度があります。逆に取り過ぎで体調を崩してしまっている方、結構おおいんですよ。注意して下さい。
 これを水中毒といいますが、一度に大量の水分を摂取することで死亡にいたる場合もあります。

水中毒とは

 大量の水分が体の中に溜まってしまった結果、体内の液体成分がバランスを崩してしまい、命にも関わる様々な症状が出てしまう状態のことです。身体の水分量は成人で60%です。真水ではなく、薄い塩水で0.9%の濃度です。食塩はNaCl塩化ナトリウムですが、「ナトリウム」の濃度の正常値(138~146mEq/L)が、水分を摂り過ぎると低下してしまいます。120mEq/Lを下回ると、水中毒として深刻な症状が出てきます。
簡単にいえば、みそ汁は濃すぎても薄すぎても美味しくないでしょということです。

水中毒の症状

多尿

 最初に現れる症状は「多尿」です。水が多すぎると感じた身体が、ナトリウムなどの電解質バランスを保とうとして、余分な水を排出するのです。結果、おしっこの量と回数が増えます。おねしょや尿失禁も、症状として表れる場合があります。

よく見られる症状は

 食欲不振や、頭痛、ぼんやり、身体がだるい、すぐにうとうとする(傾眠)などの症状がでたり、さらに悪化すると、吐き気や嘔吐、錯乱、幻聴、意識混濁などがあらわれ、人格が変化する(怒りっぽくなるなど)こともあります。脳に水がたまり脳浮腫をおこすことが大きな原因とされますが、さらにひどくなると、痙攣、死にいたる事もあります。

水中毒がもたらす病気

 野菜を塩もみすると、水がでてきます。これと逆のことが身体で起こるのです。風船をふくらましすぎるように体内に水があふれてしまうのです。「むくむ」と言えばわかりやすいでしょう。医学的には浮腫と言いますが脳などでおこると生命維持に危機が生じます。

脳浮腫

 細胞が膨張する現象が、脳で起こるのですから、頭痛がおこるのは簡単に想像できると思います。はきけなども同じ原因で起こります。注意したいのは、熱中症や脱水の症状とよく似ていることです
以前は、マラソン大会でバカの一つ覚えの様に脱水に気をつけましょう、熱中症の気をつけましょう、水分を充分取って下さいと連呼していたのですが、まじめすぎるランナーが、不幸にして水中毒で死亡する例が生じています。取り過ぎと取らなさすぎでは医療的な対処法は待ったく逆になります。

肺浮腫

 浮腫は、体の内部の水分が血管の外に溜まった状態になってしまうので、肺水腫につながります。肺胞が水浸しになってしまうので呼吸が上手くできません。息切れ、ぜーぜーするなど、呼吸困難の症状が出てきます。

心不全

 肺浮腫が起こると、心臓と肺の間で血液がうまく循環しなくなり、心臓のポンプ機能が損なわれます。心不全により、さらに呼吸状態が悪化し、悪循環におちいります。

全身に悪影響

 たとえば筋肉にもダメージを与えます。筋肉の痛み・手足の脱力感・しびれなどを生じます。また筋肉の成分(ミオグロビン)が血液に溶けだし血液を汚染しこれが尿に排出されると尿が赤くなります。
など様々な症状を引き起こします。

心因性多飲症

 アクアホリック aquaholic ラテン語で「水」と「アルコール中毒」を合成した言葉です。本来、水にはタバコやアルコールのような中毒性はありません。パチンコや競馬に対するのと同じ様に、精神的な習慣性中毒が起こってしまうことがあります。
 また医師や歯医者など専門的な知識を有していなければ、水が毒になるなど夢にも思わないことでしょう。これが危険なのです。
本人も、家族など周りの人も、「水の飲み過ぎは体に悪い」と全く考えません。

ダイエット

 食事前に水を飲んだり、食事代わりに水を飲んだりすることで、空腹を紛らわせるダイエットがあります。結果として、急激に大量の水を飲んでしまうことが水中毒に繋がります。また禁煙などの時に口寂しくて、水の大量飲水に走る方も多くみかけます。ご注意ください。

歯医者や医者の責任

 甘い飲料水は、虫歯になります。スポーツドリンクも糖分が多いのでよくありません。歯医者が良く言います。歯の事を考えれば確かにその通りなのですが、要はバランスです。
 小さいお子さんが下痢などで脱水の時、小児科の先生は、経口保水液を飲ませて下さいと良くおっしゃいます。もちろん必要です。でもその言葉に従って、日常毎日飲ませてしまうお母さんがいます。体調が不調だから使うので、健康な状態の時は必要ありません。

情報にまどわされない

 天気予報で、「明日も30度を超える暑さです。熱中症に用心し、水分の補給に注意して下さい。」もはや、おやすみなさいのあいさつと同じです。多く取らなくっちゃという気持ちになるのも当然です。
 惑わされず、のどの渇き具合、気温、おなかの膨れ具合などを総合的に判断し、適量が一番です。ありすぎて困らないのはお金ぐらいのものです。でも先日、家の歯医者で患者さんに水中毒の話をしていて、上記のお金の話をしたら、真顔で「イヤー先生、お金もありすぎると困るんですよ」と応じられました。うらやましい悩みですね。

適性飲水量

今日は、愛犬のココをつれて水元公園へ行ってきました。浅草から車で30分ほど。無料のドックランもあり(登録必要です。念のため)近くて便利です。その後、子供の自転車のパンク修理に南千住いったりきたり、合計で20キロメートルほどジョギングしてます。飲んだ水分の量を合計すると3000ccぐらい。運動して汗をかいているので、これだけの量を飲んでちょうど良いのです。ふだん歯医者の仕事(気は使うけどカロリーは使いません)をしていて、こんなに飲んだら水中毒です。
要はバランスです。この量が適正という固定の数値はありません。
日ごろの水分は、体を温め、利尿作用のある紅茶、しょうが湯、ハーブティー、こぶ茶などもよいかもしれません。

苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)

item-ippan-040めまいや立ちくらみを改善する漢方薬です。漢方では、めまいの主要因として“水毒”を疑います。水毒とは、体の水分が停滞したり偏在することで、その循環が悪いことを意味します。苓桂朮甘湯は水分循環を改善し水毒を取り去ることで、めまいを治します。
茯苓と蒼朮  水分循環をよくすることで、めまいを改善します。
桂皮     のぼせに効果、頭痛を発散して治す
甘草     緩和作用をもつ
 がいっしょに働くことで、よりよい複合効果を生じます。

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