胎児の歯の形成時期
赤ちゃんの顎の骨や歯は意外と早く、顎の骨は胎生6週ごろから・乳歯は胎生7週頃から作られ始めます。歯は、歯胚(しはい)というタンパク質のかたまりから始まります。これが成長し少しずつ大きくなり、カルシウムやリンが沈着して硬くなっていくのです。これを石灰化といいます。
歯胚の形成 | 石灰化 | |
乳歯 | 胎生7~10週 | 胎生4~6ヶ月 |
永久歯 | 胎生4ヶ月頃 | 出生時ごろ |
歯の発育に必要な栄養素
歯や骨を強くするための栄養素 = カルシウム というイメージが強いですが、リンなどの栄養素も大切です。歯の発育に必要な栄養素を表に示します。
歯胚の形成に大切 | タンパク質 |
歯の石灰化に大切 | カルシウム、リン |
カルシウムの代謝に必要 | ビタミンD |
エナメル質の土台を作る | ビタミンA |
象牙質の土台を作る | ビタミンC |
ただあまり、歯の栄養に関して深く考える必要性はありません。まずはお母さんの体の健康を考え、食事の栄養バランスや量を全体的に整えることが大切です。例えば、リンなどは過剰摂取のほうが問題になります。
そもそもリンとは
原子番号 15、原子量 30.97 、元素記号は P。窒素族元素の一つです。
体内のミネラルの中でカルシウムの次に多い栄養素です。成人の体には500g以上のリンが含まれています。
リンの85%が、カルシウムやマグネシウムとともに骨や歯をつくる成分になっていて、15%は筋肉、脳、神経などの様々な組織に含まれ、エネルギーをつくり出す時に必須の役割をしています。
リンは取りすぎに注意が必要
一日の必要量は1000mg程度です。魚類、牛乳・乳製品、大豆、肉類に多く含まれますが、すべての食品に含まれています。
このためリンは、現代の食生活では一般に不足することはなく、むしろ摂り過ぎが問題となります。リンを多く含む食品添加物が、加工食品や清涼飲料水などの酸味の素として使用されていることも過剰摂取の原因になりやすいひとつです。外食や加工食品に偏りがちな場合は、リンの摂取量が多い可能性があります。
リンを過剰に摂取すると
リンはカルシウムの代謝と深く関係しています。リンの過剰摂取は、カルシウムの吸収を妨げたり、カルシウムの排泄をうながし、骨量や骨密度が低下してしまいます。