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歯周病は糖尿病を悪化させます

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糖尿病とは

 おしっこに糖が排泄されてしまうのでこう呼ばれます。血液中を流れている糖はブドウ糖ですが、この濃度が高すぎるために、尿を作る腎臓で糖が漏れ出してしまうのです。血液中の糖分の濃度が高いのが、問題なのです。早朝空腹時血糖値が126mg/dl以上、または食後血糖値が200mg/dl以上であれば、糖尿病の疑いが濃厚です。

血糖値が高いと何が問題なの

 高い状態が、長く(何十年)も続くと、血管が傷みます。ホースに熱湯を流すようなものです。特に障害を受けやすいのが目の網膜です。

糖尿病網膜症

視覚障害者の約6分の1に及び、50~60歳代では視覚障害原因のトップとなっています。恐ろしいのは、自覚症状がないまま進むことです。ある日突然、「目の中に煙のすすがたまった」、「かすんだ真っ赤なカーテンが見える」など重症化してから眼科へ来院する方が多いです。失明を覚悟しなくてはいけない場合も多いです。

糖尿病腎炎

腎臓は、血液をろ過して体に不要な老廃物を尿として排泄します。糖尿病腎症になると、ろ過の役割をしている糸球体の毛細血管がそこなわれて、腎臓の機能が障害されてしまいます。塩分やタンパク質の摂取量が厳しく制限された食事療法が必要になり、さらに症状が進むと人工透析が必要になってきます。

糖尿病神経障害

血流が悪くなり神経細胞への血液の供給が
途絶えてしまうため、神経にも障害が起こります。発汗異常、立ちくらみ、便通異常、膀胱障害、勃起障害などの症状があらわれます。痛みを感じにくくなっているため、ちょっとした足の傷や、ヤケドに気づかず、壊疽(えそ)になって足を切断することもあります。

種々の病気の原因

認知症のリスクが4倍・脳梗塞や心筋梗塞のリスクが3倍など

急性合併症

極端な高血糖になると、高ケトン血症、アシドーシスが起こります。糖尿病性昏睡といわれている意識障害が起こります。

ペットボトル症候群

糖尿病性昏睡は、インシュリンの分泌の低下するⅠ型が主でしたが、最近では若い人、とくに肥満の人にも起こっています。これは、糖分が多くふくまれる炭酸飲料、果汁飲料、スポーツ飲料などを水代わりにたくさん飲み続けることで、血糖値が急激に上がり、ケトアシドーシスを引き起こして昏睡状態に陥る急性の2型糖尿病で、ペットボトル症候群(清涼飲料水ケトアシドーシス)とよばれています。

歯周病との関係は

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 糖尿病は、免疫力が低下し、血管の障害がおこるので、歯周病の大きなリスクファクター(危険因子)です。そしてまた、歯周病も、糖尿病を悪化させる、大きな要因なのです。悪いもの同士、協力しお互いの病気を悪化させていきます。

インスリン(インシュリン)

インスリンは、すい臓のランゲルハンス島のβ(ベータ)細胞で作られている、血糖値を下げる唯一のホルモンです。インスリンが働くと筋肉や肝臓などに糖をとり込んでエネルギーとして利用したり、たくわえたり、さらにタンパク質の合成や細胞の増殖を促したりします。
このランゲルハンス島が壊れてインスリンそのものが出なくなるⅠ型糖尿病、インスリンの効果が悪くなるⅡ型糖尿病があります。
糖尿病の患者数は360万人(予備軍を含めると2000万人)ですが、(平成26年)このうちⅡ型が95%といわれます。

インスリン抵抗性とは

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糖尿病の発症には、特に食習慣(過食による肥満や高脂肪食摂取など)や、運動習慣(運動不足)が関係しており、それらがインスリン抵抗性を引き起こし耐糖能の低下となります。
インスリンは、主に肝臓、筋肉、脂肪組織に働きますが、インスリン分泌が十分あるのに血糖値が下がらない状態をインスリン抵抗性といいます。

歯周病菌は700種類以上

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口腔内の細菌にも、ほとんど悪さをしない、人間の歯ぐきと共存しているものもいます。でも歯周ポケットが深くなり、酸素の無い環境や、年齢的な変化などで免疫力が低下してくると、レッドコンプレックスと呼ばれる質の悪いバイキンが増えていきます。
 この細菌を退治するために白血球が集まってきます。白血球が歯周病菌の出す毒素に触れることでTNF-αと呼ばれる物質が放出されます。TNF-αはインスリンの働きを強く妨げてしまう作用があるので血糖値が上昇します。
 そして糖尿病が進行することで、歯ぐきの毛細血管の血流が悪化、血液が行き渡らず歯周病の悪化。さらにTNF―αが多く放出され糖尿病もますます悪化、この悪循環を繰り返し糖尿病も歯周病も重症化していまうのです。

糖尿病と歯周病の関係性

①糖尿病の人は歯周病の罹患率が高い。
②糖尿病の人は歯周病がより重症化しやすい。
③糖尿病の罹病期間が長い人ほど、歯周病の罹患率が高い。
④血糖コントロールがよくない人は歯周病がより重症化しやすい。
⑤歯周病が重症化している人ほど血糖コントロールがよくない。
⑥歯周病の人は糖尿病の罹患率が高い。
⑦歯周病の人は糖尿病でないとしても糖尿病予備軍であることが多い。
⑧糖尿病の人が歯周病を治療すると、ヘモグロビンA1cが改善することが多い。

両方の治療がんばりましょ


 以前、歯周病で治療中の患者さんから「血液検査で、血糖値が高いと言われたので、糖尿病の治療に専念したいので、歯の治療を中止したい」と電話をいただいたことがあります。ウーン、
大変だけど、いっしょにがんばりましょう。

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