毎年、冬になると、マスク・手洗い・うがいなど、感染予防の対策が呼びかけられています。常識的に考え誰もが信じていることですが、疑問視されていることも多くあります。
インフルエンザに対する「うがい」の予防効果には、専門家から疑問の声が上がっています。
事実、厚生労働省はインフルエンザ予防対策としてうがいは推奨していません。
2007年に厚生労働省が発表している「インフルエンザの基礎知識」では、予防の基本項目として「手洗い・うがいの励行」が記載されていました。
しかし2011年以降になると、予防対策として手洗いは記載されていますが、「うがい」の文言が消えています。
うがいをしても、まにあわない
インフルエンザの対策としてうがいが積極的に推奨されない理由は、インフルエンザウイルスが、のどの粘膜から身体の中に入り込むま時間が約20分と非常に短いことにあります。
電車の中で、インフルエンザの人がくしゃみをすると、インフルエンザのウイルスを多量に含む0.05㎜程度の大きさの飛沫が200万個とびだします。車内中の空気が汚染されてしまいます。インフルエンザが流行している間は、どこにいても空気中にウイルスが存在している可能性があり、吸い込んでしまう危険性があります。ウイルスを吸い込むたびに20分以内のうがいをすることは現実的に困難であることから、うがいの効果は不十分と考えられています。
うがいできるのはほんの一部分
うがいによって効果があるのは、のどのほんの一部分で、鼻の粘膜などには効果がないという考えです。
でもやっぱりうがいした方がよいです
うがいをするということは、それだけ予防に気をつけているということですので、手洗いなどもしっかり行ってくれる習慣が身についているということです。
一般的なかぜには有効なデータもあります
うがいをしない・水でうがいする・ヨード系のうがい薬でうがいをする、この3者を比べた実験があるのですが、インフルエンザの予防に有効であるという統計学的な効果は認められませんでした。しかし、一般的なカゼに対しては有効性が出ています。
ヨード系のうがい薬でうがいすることにより、逆にのどに常在する正常細菌叢を壊して風邪ウィルスの侵入を許したり、のどの正常細胞を傷害したりする副作用を心配する考え方も強く、効果を疑問視する専門家が多いのも事実です。