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スマホと歯周病

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 電車に乗ると、前の座席に座っている人、ほぼ全員スマホを片手にうつむいています。気づかれないように、注意して頬のあたりを観察してみて下さい。ほほがピクピク動いているのに気が付くかもしれません。

スマホ(スマートフォン)を長時間使用していると、首こりや肩こりの原因になります。でもそれだけではありません。歯にとっても大変に危険。 「TCH 上下歯列接触癖 」のお話です。

TCH 上下歯列接触癖 とは

TCH とは  Tooth Contacting Habit 上下歯列接触癖を英語で表記したものです。地球の重力により、下顎も 下向きの力を受けて 引っ張られます。このため、頭蓋骨にくっついている上の顎と、自由に動ける下の顎は接触しません。リラックスした状態では、上下の歯は2〰3mm程度のスキマがあるのが正常なのです。

口を閉じている時は、上下の歯は離れています

歯科医にとって「上下の唇が閉鎖していても、上下の歯は接触していないのが常識です」。でも接触しているのが正常と思っている方が大半です。

でもこれが、いろいろな障害の原因になっています。 ⇒ 頭痛、歯が凍みる、顎関節症、歯がぐらぐら揺れる、首のこり、口臭の原因にもなります。

上下の歯が接触するのは一日20分が正常です

食事や会話などで上下の歯が接触しているのは、一日せいぜい20分程度です。大半の時間は上下の歯は離開していて、力はかかっていません。

過大な力が歯に加わる歯ぎしりや食いしばり、これにより、歯を支える顎の骨(歯槽骨)が破壊されていき、歯がぐらついてひどくなると歯が抜けてしまったり、歯が折れてしまつたりするのは以前からよくしられていました。

しかしごく弱い力でも、長時間つづくと、顎を動かしている筋肉の緊張がつづき、顎関節の障害や、頭痛・歯根膜のダメージにつながることが最近の研究であきらかになってきています。

上下の歯が接触するとどうなるの

1 上下のの歯をふれないようにしてから、上下の顎、頬に手のひらをかるくあててください。

2 ぎゅっと、上下の歯をあてて食いしばって下さい。頬の所にある咬筋が飛び出すように緊張するのがわかると思います。感覚が慣れてきたら、こんどは弱くそっと上下の歯をあてて下さい。かすかですがやはり筋肉が動くのがわかると思います。

3 そっとしばらく 咬みつづけてみてください。筋が緊張したままになるのがかんじられるでしょう。

 

TCH 上下歯列接触癖 により起こる障害は

顎を動かす筋肉の、緊張状態がつづく

顎を支えている関節(顎関節)が、おしつぶされ、前にずれる。

歯と歯槽骨(歯を支えている骨)の間の薄いクッション組織(歯根膜)が、血行不良や活性酸素の増大がおこる。

加わる力は小さくても長時間の負荷のために色々な障害の原因に

歯周病・滑舌の低下・頬や舌の粘膜の咬傷・口内炎・舌痛症・無口・原因不明の歯痛・歯の治療後の疼痛・歯の咬耗・歯の破折・充填物の脱落・義歯の不適合・顎関節症など口腔関係のトラブルにとどまらず

頭痛・耳鳴・難聴・のどの痛み・はきけ・動悸・腕の痛み・眼精疲労・鼻づまり・膝の痛みなど全身的な影響も

舌に歯の圧痕がついていませんか?

舌も緊張します。歯に押し付けられるので、舌粘膜の血行が不良になります。舌の痛みを生じたり、舌や頬の筋肉の過緊張により、筋肉疲労が起こりコントロール不良になります。この結果食事や会話中に頬や舌を咬みやすくなってしまうのです。

原因不明の歯の痛みや知覚過敏症、歯の治療後の痛みも

歯根膜を守りましょう

運動不足を指摘され、ランニングを始める人は靴選びに注意しましょう。ランニング時に足にかかる衝撃は体重の6倍です。良いシューズを選ばないと着地時にかかる衝撃で膝などを壊します。ランニング初心者は、衝撃吸収のクッション性の高い安定した靴を選んでください。ちなみに私のランニングシューズはアシックス社製ゲルカヤノです。

歯根膜組織もランニングシューズのクッションと同じです。硬い歯の根とそれを保持している歯槽骨の間で衝撃を吸収しています。一日20分程度の時間であれば何十年も負荷に耐えてくれます。

しかし、上下の歯が長時間接触し続けると、さすがに持ちません。血行不良を起こし、活性酸素の増大により、歯を支える歯槽骨の破壊へと進み、歯周病の大きな原因になります。歯ミガキをきちんとして清潔な口腔環境を維持しているのに、歯周病が進行していきます。知覚過敏の大きな原因です

歯に入っていく神経は、掃除機などの家電製品の電気コードのようなものです。電気コードを無理に引っ張ったりし続ければすれば、断線したりショートしたりします。歯の神経も同じこと、過敏状態を引き起こします。

歯医者さんで治療してもらったのに、痛みがつづく原因にもなります。歯の治療は悪いところが無くなったと勘違いしている方が多いのですが、外科的に切除しているのと同じです。硬い歯が開いてなのであまりそう感じないだけで、実際には切除面のキズが残ります。普通はキズは自然に治癒していきますが、力がかかり続けてはそれは無理というものです。

 歯の治療では、詰め物やかぶせ物をすることがほとんどですが、これらの修復物が脱落しやすいのも、不均等な無理な力がかかるからです。

ご自身がTCHか判別する方法

一種の悪習癖(悪いクセ)ですから、気がつかずにいる方がほとんどです。

上下の唇を閉じて、でも上下の歯は少し隙間をつくってみてください。

今度は逆に、唇はとじたままで、上下の歯を軽く咬み合わせてください。

どちらが自然で違和感がありませんでしたか。上下の歯を当てているほうが安心で落ち着くという方は、要注意です。

「歯を離せ」 シールを作りましょう

「歯をはなせ」 「かまないで」 「リラックス」 なんでもよいです。シールを10枚ぐらいつくって、家や会社、コンピュータなどよく目に付くところに張ってみましょう。

目にはいったときに、「あれ、かんでる」 頻度が多いほど、歯に無理をかけています。

実は、治療法でもあります

これ、実は行動変容法という心理学の手法です。

張り紙を見て、上下の歯があたっているのに気がついたら

1 そのまま、歯を咬みしめたままで、鼻から大きく息を吸い込みます。それにあわせて両方の肩を持ち上げます。

2 口を開き、口から息を吐き出しながら、肩の力をぬき 肩を落とします。まわりにだれもいなければ、ハーとため息をつくのも効果的です。

3 1回で充分です。2度も3度も行う必要性もありませんし、がんばる必要もありません。気長に、ちょっと気がついた時にやってみてください。

できれば近くの歯医者さんに相談してください

近くの歯医者さんに電話して、「上下歯列接触癖(Tooth Contacting Habit)があるかもしれないので、治療をお願いしたいのです。」と相談してみてください。力になってくれると思います。

肝心のスマホとの関係は

口を開けながら、下を向いてください。苦しくありませんか。下を向くと必然的にノドがしめつけられます。口を開く行為も同じで、ノドが狭くなります。

ためしに、下を向いて、唾液を飲み込んでみてください。とてもやりずらく苦しいはずです。薬を飲むときみんな上を見るでしょう。狭くなったノドに食べ物を流し込むのはむずかしいんです。

下を向いて、そして口を開いて、二重にノドを狭めれば苦しいにきまっています。下を向く動作は知らず知らずのうちに、上下の歯を閉じる行為になるのです。

逆に、頭をささえている首の後ろの筋肉は伸ばされて、過緊張状態です。クビがこるのもあたりまえです。

私もこのページを書き上げたら、近くのフィットネスクラブに、泳ぎにいきます。お勧めはクロール。30分も泳げば、肩のマッサージにもってこいです。ストレス解消にも。

スポーツ習慣の無いのも原因の一つです。

 

交感神経過緊張状態でもあります

自律神経失調症という病名があります。二つの自律神経、つまり交感神経・副交感神経のバランスのくずれです。夜ベッドに入って交感神経が緊張してしまえば、興奮して眠れなくなります。ただでさえ交感神経の緊張しやすい、現代の日本。

電車の中ぐらい、ゆったりしませんか。先日、青梅でマラソン大会があって(浅草からはけっこう遠い)、中央線に乗ったのですが、車窓に富士山がチラリチラリ。でも車内の人たちはスマホに夢中。もったいない。地下鉄ならば、ユーチューブでステキなゆったり音楽でもいかがですか。

 

 

 

 

 

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