2019年(平成31年)3月13日厚生労働省が、2018点の食中毒の報告件数のうち、寄生虫のアニサキスが、カンピロバクターやノロウイルスなどを抜いてトップになったことを発表しました。
アニサキスは、アジやサバ、サンマやイカなどの内臓に住み着いている寄生虫ですが、水揚げされると素早く魚の筋肉などに移ってしまいます。数ミリの大きさがあるので通常魚市場などの専門家により排除されるのですが、100%ということは難しく、刺身などの生食で人間の体に入ってしまいます。胃壁に食いってくるので、激痛を生じ、内視鏡で除去する必要があります。
 2018年の食中毒の報告総数は1330件でしたが、アニサキスは468件、第2位は病原菌カンピロバクターの319件、3位がノロウイルスの256件でした。
しかしながらアニサキスは、人から人へと伝染することがないので、患者数は478人。ノロウイルスの8475人やカンピロバクターの1995人を大きく下回っています。
ただ、急に増えたわけではなく、食品衛生法に基づく国への届け出の項目に2013年からアニサキスが明示されたことが影響したものと考えられています。
アニサキスは十分な加熱や冷凍処理で死滅します。ただ醤油やわさびや酢しめでは効果がありません。
十分に処理された魚介類を選んで食べる必要がありますが、実はよく噛まないとアニサキスによる食中毒を起こしやすいのです。細菌やウイルスのように小さくないので、食べるときにかみ殺してしまえば問題は起きません。歯が悪く、咀嚼効率が悪いとアニサキスによる食中毒も起こりやすいのです。