平成31年2月2日3日に実施された歯科医師国家試験第112回の合格発表が行われました。全体では出願者数3723人、受験者数は3232人、合格者数は2059人で、合格率は63.7%でした。新卒者は、出願者数2450人に対し、受験者数は2000人、合格者数は1587人、合格率は79.4%でした。
 合格率の一番よかったのは東京歯科大学で96.3%でした。ついで東北大学歯学部89.5%、北海道大学歯学部87.9%。逆に最も低かったのは奥羽大学歯学部30.2%でした。私の母校である日本大学歯学部は57.6%と、正直あまり芳しくありません。
参考までに、医師の方は、第113回医師国家試験(2019年2月9日・10日施行)合格率は89.0%、新卒者の合格率は92.4%。平均合格率は、国立が90.2%、公立が92.1%、私立が88.9%でした。歯学部の結果をみるとふがいなさも感じますが、実際に問題をみるととても難しいです。(たぶん私が今受けてもとても受かりません)
ちなみに、合格基準は一般問題(必修問題を含む)を一問1点、臨床実地問題を一問3点とし、
(1) 領域A(総論) 58点以上/98点
(2) 領域B(各論Ⅰ~Ⅱ) 116点以上/171点
(3) 領域C(各論Ⅲ~Ⅴ) 126点以上/205点
(4) 必修問題 64点以上/79点
とされています。

なかなか、きびしい数字ですが、それだけではなく、国家試験までこぎつけるのも実は大変なのです。

歯学部は六年制です。そもそも、歯学部に合格しても、無事6年で卒業、国家試験受験となる学生さんの数も実は多くはありません。
文部科学省は「歯学部(歯学科)における留年・休学者の割合」を取りまとめています。平成29年度の場合でみると、国立大学の休学・留年率は14.7%、公立大学は9.4%、私立大学21.9%となっています。(平均19.8%)
わが母校の日本大学歯学部の場合、1年(14.7%)2年(24.9%)3年(26.9%)4年(21.8%)5年(23.3%)6年(37.1%)となっています。以前に比べると、6年生での割合が減り1~5年生での割合が増加しています。成績不良の学生を、最終学年まで貯め込まずに、低学年から早めに留年させる傾向が強くなっています。ちなみに、留年率の最も低いのは松本歯科大学歯学部の 11.4% です。
留年せず卒業して国家試験にストレートで合格できる学生さんは3割程度しかいません。トホホ